建物の劣化って何が原因?防ぐことはできないの?
以前、設計と施工者のみが違う以外ほぼ同じ条件(建物形状、仕様、竣工時期、日射、彩風等)で建てられた隣3軒の建物の劣化調査をほぼ同時にしたことがあります。
同条件の3棟の建物のその後について調べるなんて、この仕事をしていてもなかなか巡り合うことのない良い機会でした。
実は調査開始前、3棟共ほぼ同じように劣化が進行しているかと予想していました。
ところが実際は驚いたことに見た目にもわかるほど劣化度合いが違いました。

1棟は建物基礎に大きな亀裂が入り、鉄筋が爆裂し、無残な姿になっていました。
また、屋上防水のシートがはがれ、屋根などからの雨水の侵入が避けられないだろうと思われる状態。
そうかと思えば、1棟は経年劣化はみられるものの、ほぼほぼきれいな状態。
これらは何といっても施工方法とその監理状況の違いが原因なんですね。
住宅を施工する際、施工業者を選定することはもちろんですが、施工品質には設計監理がとても大切なんです。
設計事務所の仕事のひとつに設計監理がありますが、建築士が図面通りに施工が行われているか監理をします。(いわゆる施工管理とは違います。)
建物は建てた後も定期的なメンテナンスが必要ですが、建てる時の設計監理はそれ以上に大切なのではないかと感じる貴重な体験でした。
一社で設計施工を行っている会社でも、自社でしっかり設計監理している会社はありますが。
ですが、何か問題が起きた時のことを考えても可能な限り設計監理は第三者の設計事務所に入ってもらう方が建物の施工性能や長寿命化を考えた時に有効ではないかと感じています。


